サイエンスとサピエンス

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ナポレオンの写真

 そう、あのフランス皇帝ナポレオン一世の写真がある。
 19世紀前半に亡くなった人物の写真などはあり得ないと指摘する識者もいよう。確かに、ナポレオン・ボナパルトは1821年5月5日にセントヘレナ島にて幽閉されたまま死去した。
 なにも生前の写真とはいっていない。フランス人たちはこの偉人の死骸をパリのパンテオンに祀りかつ、葬るために遺骸をご丁寧にも掘り起こした。1840年のことだ。
 その折の「記念撮影」が残っているのだ。

 確かに生前の面影が残る「遺影」ではある。このフィジカルなリアリズムは凄い。
西洋人の遺体に対する感覚というものの違いがまざまざと感じられる。遺骸はやがて最後の審判の時にはよみがえりの素材になるのだから、その血肉毛髪に至るまで貴重なものなのだろう。
 以前の「セーヌ川の乙女」のデスマスクにも生前と死後の連続性みたいなものがあった。