サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

四足歩行ロボ Wildcat

 アメリカの軍産複合体の一つと推定される「Boston Dynamics」の産物、Wildcatが話題となっている。
 この企業はWebを観ても正体がつかめない。DARPA(国防高等計画局)の委嘱を受けた開発なのでほぼ間違いなく、軍需用途である。つまりは殺人用の兵器での使用が前提なのだろう。

 その開発中のプロダクトを眺めるとどれもこれも歩行型のロボットで屋外、過酷な自然環境での使用を想定しているかのようだ。

LS3 - Legged Squad Support Systems
Atlas - The Agile Anthropomorphic Robot ←完全ヒューマノイド
PETMAN   ←初期のアシモのプロトのような
CHEETAH - Fastest Legged Robot
BigDog - The Most Advanced Rough-Terrain Robot on Earth ←雪の山野を駆ける
SandFlea - Leaps Small Buildings in a Single Bound ←砂地を走る
RHex - Devours Rough Terrain  ←湿潤地を歩きまわる
RiSE: The Amazing Climbing Robot ←垂直な壁を登る
LittleDog - The Legged Locomotion Learning Robot

 移動手段に特化して開発しているのがこの企業の特徴だ。その応用や倫理はかき消されている。

 Wildcatに話を戻す。
 下の映像を観て工学的に何が興味深いか、だ。
一言で言えば、電動ではないことだ。内燃機関で運動するのだ。
ロボットの運動には、電動アクチュエータが主流だ。しかし、モーターは瞬発力がない。
 例えば、Wildcatのボディを連続的に跳躍させることは出来ないのではないか?
このWildcatの走りは跳躍が必要である。モーターにそれが可能かどうかというのは専門家に確認したいものだ。

 電気じかけでクリーンな大型ロボットというのは動きがスローで、今のところ戦闘や激しい運動などには不向きだ。近未来の高速運動ロボは内燃機関が主流になるかもしれない。あるいは蒸気機関のロボットなんてのもありうる。

 それはある意味、帝国華撃団の世界だ。