サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

1960年代のBMI実験

 なぜかスペインは大脳に関する有能な科学者を輩出する傾向にある。といっても二人ほどだが。一人は文句なしの偉大なラモン・イ・カハールであるが、そして、もうひとりはホセ・デルガードだ。
 ESBは脳電気刺激のことであり、デルガードはリモコンで脳内に埋め込んだ針金製電極をコントロールするデバイスを発明したのだ。
 彼の研究は高等な脊椎動物を脳に埋め込んだ電極で制御するというものだった。有名なのが雄牛を使った闘牛場での実験であろう。それを実施したのは1963年だ。
 最近流行のブレイン・マシン・インタフェースの先駆者として脚光を浴びるようになったのだ。
 1980年台にESB実験は社会的な非難を浴びて、失意のデルガドはスペインに帰国した。全体主義国家のマインド・コントロールというのが趣旨だった。


 彼の業績は最近になり見直しがなされている。この日経サイエンスの記事では老いたデルガードがチップを片手に米国復帰を果たしたとしている。しかしながら、2011年9月には亡くなっている。