サイエンスとサピエンス

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ヒントン氏らAI研究へノーベル物理学賞への所感

 研究結果のインパクトが多大であったことは誰もが認めるでしょう。でも、これが物理学かというと「?」ですねー。

深層学習は情報処理技術の一種であって神経回路網にインスパイアされたといっても決して物理学ではないと感じます。回路網シミュレーションが人間の言語処理を再現できたのは確かでしょう。

 ですが、ヒントン氏らは脳を解明しようとしていたわけではない。精々、脳を模倣して画像識別能力の底上げを目指していたんだと思います。元々は自然科学の対象は自然界に存在するものでありました。

 ホップフィールドさんはともかく、ヒントン氏は物理学者でも自然科学者ですらないと思いますね。

もひとつ、このところの物理学界はビッグヒットがないのも事実ですねえ。

 真鍋さんらの地球温暖化シミュレーションへの受賞とともにノーベル物理学賞も世につれ時につれなのですねえ。

 

【附記】

 少なくとも真鍋氏は地球の気候変動をシミュレーションモデルで再現することで、温暖化メカニズムの理解を深めようとはしていました。「二酸化炭素の排出説」は科学的に論証されているわけではないというのは部分的に正しい(因果性を検証するのは困難なのでねえ。地球は一つで高い複雑性システムなので)

 でも有効な論拠なければ反論なしで、限定的に公認されたモデルなんですね。