この文明がいまあるのは「たまたま」だけど、それを理解する観測者がいるのは、そのたまたまのおかげ?
文明の興亡というものを客観的に把握する手立てを現代人は保持するに至った。それは偶然ではないだろう。
知性を持ち緊密に組織化された社会システムを構築できる生物種が地球に今、ここにあるというのは、かなり恵まれ安定したた自然環境が続いているからだ。
例えば、
・月が丁度良い大きさで、手ごろな距離に一つあること。月は大型隕石防止になる
月面が隕石孔だらけ。皆既日食で太陽とほぼ重なるのは、なにかしら人類に重要な「偶然」なのかも...
・地磁気が安定期なこと
・磁北極と地軸がほぼ一致すること。地軸が23度ほど傾いていたことで気候がマイルドになり四季が生まれる
・パンゲアという一大陸(PT境界がある地質学時代)ではなく、7つの海といくつかの大陸に分断されていること
・気候変動 比較的温暖な気温が続いていること
あの「宇宙から恐怖がやってくる!」によれば、重篤な脅威として下記の幾つかがある。
・ガンマ線バースト
・太陽 黒点磁気嵐
まとめよう。
天文学的な安定化条件 超新星爆発、宇宙線、磁気撹乱、隕石 などを免れている
地質学的な安定期 火山活動 氷河期 気候マイルド化 酸素濃度 熱収支 資源
経済技術複合の安定期 「文明」自己組織系がワールド観測の機能を保てる条件にあること
要するに 一瞬の好条件がそろった時期に 「文明」が短期間で発生・膨張したことだ。
「モード」=最頻値の重なりで、多数の観測主体が現存し、「安定期」の巡りあわせで 観測主体が生きられる「文明」がありうる。これらの観測主体を含む、民主主義とは集合知を可能とするようなそうした認識主体を創出する土壌のようなものだ。
自己観察可能な文明とは高度に結合した集合的な知である。それは安定的な環境で、しかも秩序のあるコスモスでのみ生まれ育つ..としたならば。
現代文明とは、いうなればプレパラートで生まれた「菌のコロニー」にしかすぎない 好条件で大切に培養された菌の集合が「現代文明」だと思えてくる。
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「人間原理」の手際の良い解説書。「人間原理」はなにか逆問題のような気がするな。
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