サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

梟雄エジソン

 エジソンを、純粋無垢なエンジニアと考えてはならない。実のところ、なかなか食えないビジネスマンであり、その精神はGEに引き継がれている。つまり、技術的創造の精神と飽くなき利潤追求の精神とがである。1300もの発明をものした大物だが、それに加えて逞しい商魂がエジソンの身上である。

 なかでも、テスラとの確執が有名であろうか。交流発電システムを生み出した天才ニコラ・テスラを潰すために、あらゆる手段をエジソンは用いた。直流発電システムか、交流発電システムかという問題は電気の世紀にあっては天王山といってもよかろう。
 エジソンが用いた交流電流による象の処刑や、死刑囚のための電気椅子に交流を導入させた手口は、悍ましい。

処刑電流

処刑電流

 GEではTAEという会社の没落。160年ほどの歴史。ラジオを毛嫌いしたエジソンなどの逸話は面白い。

エジソン発明会社の没落

エジソン発明会社の没落

 フランスのロボット小説で扱われたエジソンはかなり変貌している。貴族の末裔リラダンは己の化身たる主人公をそそのかして女性の理想的ロボットを作らせる。さりながら、そのロボット開発が辿る運命は...

未来のイヴ (創元ライブラリ)

未来のイヴ (創元ライブラリ)

現実にはエジソンの製作したのは「おしゃべり人形」であった。しかも、全然受けなかった。西洋人にはキモかったのだ。