ペットロスは一部の人びとにとっては耐え難い悲しみをもたらす。長年の連れ合いを亡くすようなものである。
この対症療法として有効なのが、生存中のライフログを保管し、それを人工知能化することである。
ライフログなる言葉は、アクティビティというか、ある種の生き方である。生活のシーンすべてをデジタル情報として保管したうえで、それを「アフターライフ」、つまり、死後の生存に役立てようという現代版死体の冷凍保存だ。
ペットは幸いにも、人ほど複雑でもなければ表現力にも、予測可能な型がある。よろこび方や鳴き方やはしゃぎ方、怒り方は比較的ニューラルネットワークに刷り込むのが比較的容易であろう。
かつてのS社の犬型ロボットの外形寸法も個性もお仕着せであった。このペット型ロボットでは人工知能に生前の行動様式や外形寸法をそのママにカスタムメードするのだ。
すべての悲嘆がこれで埋まるわけではないにせよ、愛したペットの面影と振舞いを完全に模倣するロボットは、十分な慰めを当面は補償してくれるのではないだろうか?
これぞ、まさしく近未来型の人工知能型ロボットの有望な商品となりうるであろう。
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