サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

羽毛の拡大写真

 デジカメの機能の進化は継続中だが、知らない間にクローズアップ能力はルーペ並になっていた。
早速、その拡大機能を羽毛に適用してみたのであります。

 ご存知のように羽毛の能力はすごい。防水、保温、耐塵と衛生、それに空気力学的な特徴を兼務しているうえに軽くて耐久性がある。経済性もあればリサイクル可能である。
どうみても人類の飛行機製造技術のうえを行く。いったい、どうやって鳥類はこんな能力を獲得したのか想像もつかない。ウロコから微小変異を積み重ねてここまで到達したのであろうが、まさに「目からウロコ」の発想が羽毛にはつめ込まれている。
 
 最近はやりのバイオミメティクスはそれを方法論とする一つのエンジニアリング手法だといえる。生物のもつ特殊能力を解析し、模倣して製品化しようとする工学だ。ミミクリ=ものまねという技法を意識的に盛り込んだのだが、いずれにせよそれは大昔からとられてきた手法だともいえる。
技術哲学者はこれを「カップの器官投影」の一例だと指摘するだろう。

 さてと、拡大写真だ。

 5センチの鳥の羽根を普通に撮影する。


 それをクローズアップして「顕微鏡モード」で撮す。1センチまで接近できるし、深度合成も可能。
絨毯のような濃密な縞が幾重にも連なるのがすばらしい。


【参考書】
 気軽に鳥の進化論を味わえる。鳥の飛行というよりは酸素呼吸など種としての生き残りを議論している。

絶滅も進化も酸素濃度が決めた 恐竜はなぜ鳥に進化したのか (文春文庫)

絶滅も進化も酸素濃度が決めた 恐竜はなぜ鳥に進化したのか (文春文庫)

BIRDER(バーダー)2015年8月号 最新「羽毛恐竜」ガイド

BIRDER(バーダー)2015年8月号 最新「羽毛恐竜」ガイド


 ちなみに、使用したコンデジGPS内蔵で防水、耐塵と耐久性をもつ新世代のデジカメ。けっこう、評判になった製品だ。


 戦後まもなく鉄道事故で物故した三枝博音の技術論を参照してバイオミミクリを考えなおすのもいいだろう。

技術の哲学 (岩波全書セレクション[I])

技術の哲学 (岩波全書セレクション[I])