ルイセンコ学説はスターリン時代のソ連科学界を支配した。ミチューリン主義もその非科学的な雰囲気の中で大流行した。日本の生物界にも影響していた。
1948年にショスタコーヴィチが映画音楽として「ミチューリン」を残している。
ところで、ルイセンコ学説と類似な全体主義的進化論として、日本には今西進化論というものがあった。影響力は1980年台まで持続したこの「進化論」は今日では「科学」でないとされている。当時、京都大学は伝統的に革新派が多く、思想的にはソ連よりだった。
そして、年代的にもルイセンコ学説とほぼ同時期であり、岸由二によりルイセンコ学説と等価物として批判されている。
ルイセンコ学説と親戚筋にある今西進化論というと俄然、色あせて見えるから不思議である。
分子レベルの生物学と進化論が主流の現在の生物学からすれば、古臭くみえるのは確かであるけれど、それは一過性の評価でないと誰が言い切れるだろうか?
分子レベルだけで全て説明できない。それというのも、社会生物学のハミルトンの定理ですら、つまり、利他性の進化では近親者という個体集団を仮定しているのだ。分子だけで語れないのは自明ではないだろうか?
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ショスタコーヴィチの曲は意外にもなかなか聴かせどころがある曲である。
オマケに何としたことか! その映画も観れる。
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例えば、この分子生物学者は今西進化論を否定してはいなかった。
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