淡島寒月の辞世などはどうか。
「今まではさまざまの事して見たが、死んで見るのはこれは初めて」
これも真人の境位を示すのではないか。
明治に生きた寒月は、洋もの好きでバターや珈琲、ペンキやカーテンをそそくさと愛用。習いもしないオルガンコンサートを開き、キリスト教からジャイナ教に転進し、
古書を収集しつつ井原西鶴を発見し、再評価のキッカケとなる。国内玩具の膨大なコレクションを火災で失う。やりたいことをやり尽くした人生だったわけであります。
- 作者: 淡島寒月
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/08/18
- メディア: 文庫
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虚無感のみをいだいて生の際から目を背ける現代人とはなんという差であろう!
この巨魁性をなんとか見習いたいものである。