毎日毎日の酷暑の日々で、本当に夏らしい夏でした。
過去数万年の気象変動を地道に研究する分野がある。その近年の発見(というわけでもないが)であるヤンガー・ドリアス・イベントは、少々私たちを不安に駆り立てるものがある。
何が、って。
そうだネ。従来、地球的な規模の変化は、ゆーっくり起きるものとされてたわけ。ICPP(気候変動に関する政府間パネル)の温暖化予想も21世紀末には1℃から4℃まで、としている。
でも過去数万年間の気温変化を追求していた学者たちは、十年ほどで8℃昇温あるいは低下した時期をグリーンランドの氷床から発見した!
それがヤンガー・ドリアス・イベントだ。何が起きたかは分からない。けれど数年で地球の気候が大きく変化する可能性があるし、(何度か)あったわけだ。
こりゃヤベーぞと思うのは、酷暑でヘバッている私だけでもあるまい。
大きな変化が突然に地球規模で発生するなんて、現代文明には耐えられない。地域がグローバルに相互に緊密に結びついて、中国の鼻水がブラジルの肺炎、アメリカの貧血とユーロの拒食症で日本の下痢になるかもしれない
そのあげくは、テロと混乱のちまたになるに違いない。
どーなるかな、この先。松井孝典の言うように今の文明形態は100年もたないかもしれないが、十年で突然昇温したら、暑くてたまらないぜよ。
- 作者: 大河内直彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/11/27
- メディア: 単行本
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誠に、この本はそのへんの研究成果をうまく要約した良著&涼著です(氷床研究で涼があるんで)。将来への寒気がして、暑い夏に読むに相応しい内容であるのは、保証します。