過去の気候変動、とくに数値的によく解明されている最近数万年の気温変化には周期性が顕著である。
雪氷によるアルベド(反射率)が氷期と間氷期のサイクルを説明することができるとしたのが、ロシア人たち学説ブディコ-セラーズモデルだ。
両極の氷河が大きくなると反射率が増し、太陽からの放射熱を宇宙空間に逃していくので寒冷化が促進する。逆に氷河の面積が減少しだすとアルベドが減少し、太陽からの放射熱を地表が受け止めて全体的な温暖化が進む。
この反復がサイクルの主要因になるというのが20世紀の半ば1960年頃に唱えられた。これが蘇ったのが「スノーボールアース説」だ。
そこで太陽電池のアルベドを考えておきたい。明らかに反射率は低い。太陽光をあらゆるスペクトルにわたり吸収することが発電効率向上になるのだから。
だからこそ黒いのだ。
ガイア・ヴィンスの力作ノンフィクション『人類が変えた地球』に南アメリカでひたすら高山に白ペンキを塗りたくる環境運動家が登場するが、その努力も虚しくさせるのがソーラーパネルによる大地黒化だということだ。
氷河でおおわれた大地が地球を冷やすのならば、黒いソーラーパネルの大地は地球を温めることになろう。ソーラーパネルによる脱カーボンは、炭酸ガスの温暖化とは別種のそれを引き起こすのだ。
即ち、黒マントによる太陽光の熱変換を推進することになるのだろう。
さらにダメ押しで憶測を書き留めたい。
風力発電で大気の流れを風車の回転エネルギーに変換する。その際に、熱が発生する。風車の軸受けや発電機の内部摩擦の熱もさることながら、大気そのものに熱を起こすのではないか。例のジュールの実験を参照すると流体の撹拌はその流体の温度上昇を起こすことと考える事になろう。
潮汐発電も同じではないか?
流体の運動エネルギーから機械的な回転エネルギーを取り出すと電気エネルギーに使えない⊿Qが生じる。この⊿Qは排熱として環境にばらまかれる。
大多数の再生可能エネルギーの発電機構は⊿Qを自然環境にばらまく可能性があるのではないだろうか?
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