Kindleは標準でPDFを読めるようになっている。つまりは、電子書斎の不可欠なデバイスとなりうると思う。
それを示すために、近著の一部を利用させてもらうとしよう。
「iPadでつくる「究極の電子書斎」 蔵書はすべてデジタル化しなさい! (講談社+α新書 531-1C)」
この本の第五章では「電子書斎における読書術」を語っている。
そこで参照しているのはこの三人の三書だ。
「僕はこんな本を読んできた」の立花隆、
「勝間和代 効率が10倍アップする新・知的生産術」の勝間和代、
「本は10冊同時に読め」の成毛眞
いずれも知の達人たちだが、彼らの読書術を要約するとこうなる。
1)メモなど不要だ。まずは読め。
2)並読しながら、多数読め
3)仮説、関心、興味が失せたら別の本を読め
いつでも多数の書物を持ち歩き、あいまを見ては本を開くには「Kindle」も向いているのは言うまでもない。メモを取る必要も機能もないのはKindleでも当てはまりそうだ。
何よりも読むためのツールである点はいくら強調してもしたりない。
全体的に読書マシンとして、これまでのパソコンなどより優れている点はこうだ。
- 読みさしの本がいくつも読みさし(直前に開いたページ)の状態で開ける。
- 立ち上げに時間がかからない。パソコンでの再スタートの数分の一だ。
- 読書に専念できる。とりわけストーリーを追う読書に適している。メールやWebなどの夾雑物がないおかげであろう。
これらの諸点はiPadよりも優っているといえる。
確かに、KindleDXでいえば空きのディスク容量が3ギガ程度と少ない。だが、3ギガは自炊PDFでも(文庫/新書で)200冊は詰め込める。やはり「1000冊同時に読む」とまではいかなけれど、100冊同時読みは可能である。
それに、スキマ時間があれば、直ちに立ち上げて読みさしから読書を再開できる。
多機能ではないがゆえに本の内容そのものに没頭する真の読書向けのリーダーであるのだ。自分は久々にコニー・ウィルスの長編「航路」を読了した。上下巻の大冊で読み応えあるタイタニック号沈没をからませた臨死体験ものだ。pdf化したのはいいが、パソコンなどで読むには向いていなかったのだ。
大量に抱えた紙の本を電子書籍に変換すること=自炊することで、その真価を再度掘り起こすこともこれを機会に初めてはどうかど思うのだ。
シリアルに読書する、しかもシリアスに読書する。それがKindleの持ち味であるというのをこの本に追加しておきたい。
iPadでつくる「究極の電子書斎」 蔵書はすべてデジタル化しなさい! (講談社+α新書)
- 作者: 皆神龍太郎
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