わが国のウィキペディアの『アルキメデス』は考えられないくらい充実している項目だ。本当に敬服する。
だけども、そこには「牛の問題」は詳述されてはいない。
問題文は、こちらのサイトを参考にしてほしい。
その方程式はペル方程式と呼ばれる数論の不定方程式に還元される
この最小解はとてつもなくでかい。
ペル方程式は具体的にはこうなる。自然数u,vは一義的には決まらないが、そのうちの最小の数の組み合わせが計算できる。それが最小解である。
さて、巨大なその解をイメージで示そう。*1
古代世界の数学において、アルキメデスは近代のガウスと比肩される。ある意味、静力学を創り上げていたのだだからニュートンとガウスを足したポジションにアルキメデスがいたという評価もありうる。
アルキメデスがいかに図抜けた天才であったとて、この数をはじきだしていたとは思えない。
これは何桁の数字だろか。実に10万桁の整数なのだ。
解を求め得ないのを承知のうえで、アレキサンドリアのライバルたちを誂う問題として、アルキメデスが挑発した問題なのかもしれない。
【参考書】世界的にもその専門能力を評価された日本人が著したアルキメデスの天才
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*1:これはPell方程式の解の一つであり、牛の数はこれを用いて算出しなければならない