何ゆえか、数学者には禿げを見かけることは少ない。偉大な数学者にはいない。
それを偉大な数学者の画像で確認しよう。
やはり信頼できる肖像画や写真が残る近代以降に限られる。
天才の世紀ともいわれた17世紀、デカルトとパスカルから始めよう。
デカルトの肖像画はどうも扱いが難しい。なぜなら、この時代の特徴としてシラミ対策のかつら(ズラ)を着用しているようなのである。
やや後輩にあたるパスカルはどうか。これはどうやら地毛であり、禿げてはいない。
もっとも40台で若死にしているので禿げる直前だったという反論はありうるだろう。
ライプニッツの肖像はズラなので割愛しよう。かの偉大なニュートンも同様だ。
オイラーはこういう禿げ方だった。
生え際後退タイプである。これから出てくる数学者はこのパターンが多い。前頭葉の張り出しによって、前頭部の髪の毛は栄養補給うけられなくなるからであろう。
かのガウスの臨終のときの場面である。やはりオイラーと似ている後退際ラインだ。
ラプラスはかつらっぽい感じもあるが、地毛であると想定して下図に掲げる。
同じフランス人のポアンカレ。坊ちゃん刈り的であるが、生え際はキープしている。
50代にて亡くなってしまったのが、禿げ方研究者を泣かせている。
問題提起するのが、ほぼ同世代のヒルベルトである。
世の常識としては禿げと呼ばれる種族に属していることになる。よって、数学者に禿げはいない、偉大な数学者においておや、に反する偉大なる例外である。
彼がここまで禿げた理由としては族長説がある。ヒルベルト学派あるいはゲッティンゲン学派なる、きわめて重要な数学者の学派を生みだし、統率していた。
群れのボスは男性ホルモンを大量に分泌する。よって、禿げる必要があったとする。
残念ながら、この族長は直系子孫を残すこには失敗している。
数学者はあまり種族繁殖活動には執心しない。その相関として禿げることもないというのは、禿げ研究者では定説に近いものがある。
この人が例外となった理由は2つある。歴史的事件でもあったが、素数定理を証明してしまったこと。90歳以上の高齢となったことである。
20世紀前半に人物をあと二人取り上げる。
フォン・ノイマンである。見事なデコピンちゃんである。この人も働き盛りで亡くなっている。
そして、日本代表は高木貞治だ。
この人も高齢まで永らえ、代数的数論の学者たちを育てた。しかし、禿げる能力には欠けていたと断言できるのである。
【参考文献】
ヒルベルトについてかなり詳細な伝記がある。彼の周辺の人物群をも紹介している。