鼻くそについては以前に書いたが、鼻くそをほじる行為の科学的考察は「イグ・ノーベル賞」で話題になったことがあるのを仄聞している*1
みなさんは経験したことないだろうか?
大きな鼻くそをほじくり出すと、鼻孔がいちじるしく楽になるのだ。あンガイ、鼻くそ採掘を馬鹿にしたものでもない。大のおとなが話題にすべきことじゃないのだろうけれど。
しかし、荘子の「混沌、七竅に死す」の別の解釈として、穴がなければ混沌状態になる、そんな見方もあろうかと存ずる。
人体の穴は、五臓六腑が混沌にならぬように穿たれたものだろう。鼻孔とて軽視すべきではない。
鼻くそは目くそと並んで、大したものではないもの、軽微なものの代表格にされている。しかるに、この世の中、このような塵と芥が、主流ではないか。塵芥こそが、かなり重要だと強調してもいい。
こんなハナシを耳にしたことはないだろうか?
ふとんを日干ししたあと「お日様の匂いがする」が、これなどは紫外線で死んだダニのカスが原因だそうな。
実は、塵芥については至る所にあるのに、完全に黙殺されていいるようだ。
そもそも、塵芥について大いに啓蒙するような書籍や話題はそう多くはない。
寺田寅彦の『塵埃と光』http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/43078_24592.html
あるいは、環境問題としての「グローバル・ディミング」
http://www.ihope.jp/2009/06/12091805.html
チンダル現象
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%F3%A5%C0%A5%EB%B8%BD%BE%DD
などが浮かぶ程度である。
もう少々、突っ込んだ書籍はこれだろうか。
- 作者: ハナホームズ,岩坂泰信,Hannah Holmes,梶山あゆみ
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2004/04/01
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
この本で最重要と勝手に信じるパートをちょっと紹介しよう。
部屋のすみにツモるホコリについてどこからわいて来るのか不思議に感じたことはないだろうか?「10章家のなかにひそむミクロの悪魔たち」
ハウスダストに由来する病気が最初に飛び出す。喘息はダストが原因になるのだ。それは知ってるよ、という人もパーソナルクラウドはどうであろうか?
「人が吸い込むダストの3割はパーソナルクラウドである」
一日は500万の皮膚の破片がヒトの表皮から剥がれ落ちる。その多くを自分が吸い込んでいるのだ。空気清浄機になった気分がする。
料理すら、室内の塵埃の大元になるのである。そいつをいい匂いがするといって吸い込んでいるわけだね。それは有害ではあるが無視できる。
タバコの煙に比較すれば、それは天国の香水のようなものだ。
アメリカ連保政府は「小麦粉の品質基準」を定めている。小麦100gに昆虫のかけら150個とねずみの毛2本までは許容範囲なのだそうだ。
ハウスダストの生態系が研究されている、というのは微小な汚れを気にする潔癖なあなたには、無視できない情報だろう。
幸いにして日本で入手できるのだ。そして、その内容をわたしにも教えていただきたい。
ハウス・ダストの生物学―虫、ダニ、カビの生態・居住環境の衛生のために
- 作者: ヨハンナ・バンブロンスウイック,森谷清樹
- 出版社/メーカー: 西村書店
- 発売日: 1991/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
*1:。「思春期における鼻くそをほじる行動の研究」