サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

人類発展を阻む一連の危機を並べてみれば

 現代文明が直面しつつある一連の危機と呼ばれているものを並べて見る。

・食糧危機 人口に見合う食料生産が間に合わない
・水不足 気候変動や干ばつ、地下水枯渇による飢饉
・エネルギー危機 石油石炭の価格高騰及び供給不足
・希少資源不足 レアメタル資源の価格高騰及び供給不足。
パンデミック 突然変異ウィルスの急速な蔓延
環境ホルモン 内分泌攪乱化学物質が人類繁殖力をそぐ
・異常気象もしくは地球温暖化 経済活動で排出されるガスによる温暖化効果
放射能汚染 核廃棄物の拡散と汚染や核ミサイルによるテロや戦争

 要するに人数が増えて、吐き出される有害物質に取り巻かれ、同時に生存に必要な物資が足りなくなくなる。そんなタイプの危機ばかりだと言えるだろう。放射能汚染は異なるかもしれないが、増えるヒトがいるせいで生じるエネルギー不足や不満がなければ発生する機会は減るだろう。
 実は人口増大は旧先進国では重要な課題ではなくなりつつある。むしろ、少子高齢化がもたらす制度疲労が重たくのしかかるくらいだ。
 しかし、新興国の人口はそれをしのぐ勢いだ。なにしろ経済成長の著しいインドと中国だけで24億だ。
とうとうパンドラの箱が開いたか。 
 なにしろ旧先進国の人口合計はその半分12億人である(OECD 30カ国で集計)


 資源の取り合い=土地の取り合い(ランドラッシュ)が熾烈になるにつれ、経済摩擦だけではすまなくなるのだろう。
 都市は増殖し地方は疲弊する。若年層は職を求めても得られず、格差は増大し政治的不安定を増幅させる。科学技術は希望をもたらすものではない。
 宗教は科学技術のかわりに急速に力をつけだすに違いない。
こう見通しを述べてみると、やはり、あまり良い展望を得られない。

 別の見方をしよう。
 資源不足だ、環境問題だなどと深刻に反応しているのはEUや北米と日本のような旧先進国側であって、新興国はイケイケドンドンで環境問題は自分たちの伸びるビジネスチャンスと捉えているふしがある。
 どっちが正しいかは次の十年間で答えが出るように思う。