サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

地球上のイベントの連関の取り出し例

 ガソリン代がこのところ値上がり気味である。ジリジリと値が上がり、165円になった。
ウクライナ危機が影響しているとメディアは報じているが、この4年間で原油価格は高いままであるのも事実だ。
WTIの年次推移を示しておこう。縦軸は1バレル当たりのドルである。

 先週のNHKスペシャル『シリーズ エネルギーの奔流』第一回での事例のようにブラジル、アメリカ、カナダなので、不採算ラインだった、そんな不良債権的な油田が続々と生産を開始している。
 ブラジルの沖合いの深海2000m以上の海底油田やカナダのアルバータ州のオイルサンドからの汚い原油も価格上昇のあおりで、十分に儲かる商売になった。両国は国をあげて原油増産に奔走している。
 だが、増産しているのにこの値上がりである。

 背景は中国やインド、そして東南アジアなどの新興国モータリゼーションや電化されゆく市民の家庭である。エネルギー需要は生産を上回る伸びであればこそ、原油価格は高いままであり、石油増産は続くのだ。

 そして、中国の海洋進出で拡大する周辺国との摩擦。南沙諸島尖閣諸島問題の背景には中国大陸のエネルギー源の切迫があるのだ。満州地方の油田はあさり尽くされたとされる。
 巨大な規模の民族の経済成長のもたらしたエネルギー危機が資源獲得に国家を駆り立て。その資源獲得競争が国家間の外交危機ひいては臨戦状態への傾斜を生み出しているのでありますな。
 のしかかって来るのように大気汚染とCO2の濃度の上昇が、ニュースネタになっていることを注意しておく。
とくに二酸化炭素濃度が観測開始以来、初めて400ppmを超えた。全世界で超えたことは瞠目すべきことだ。
400ppmとは、0.04%である。
この数値の上昇は、温暖化だけの原因ではないのだ。
 大気中の二酸化炭素濃度3%になると人は窒息する
「たかだか窒息量の1/75でしかないではないか?」
と安心するのも結構だ。

 しかし、労働衛生基準では0.5%の濃度で8時間労働してはならないとしている。
もはやその基準の1/12.5であることは留意しておこう。

 ガソリン代の高騰から、エネルギー消費の奔流と国家間の資源摩擦。それに二酸化炭素濃度の400ppm突破
 そういう4大咄の地球的な連関を考えてみるのも悪くはあるまい。


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