寸法の規模を10の指数で表して、天空から原子までのその範囲を映像化した名作は
チャールズ&レイ・イームズの『パワー・オブ・テン』であります。
ご存知ない方はとくと鑑賞していただいて、と。
ここでは重さの規模をそれに追加したらば、どうなるかをグラフにしてみました。
地球の直径と重量を原点にして、10の対数で自然界の事物の寸法と重量をおいてみています。
補足すると。
バイオマスとは地球上の全生物の総計です。ヒトの周りの点は大きい順に
メタセコイア、シロナガスクジラ、アフリカゾウです。
巨大な生物をセレクトしてます。
以上より、何が言えるでしょうか。
・地球ないしはヒトが万物の尺度であり、そこから極大と極小が広がっている
・指数の範囲は寸法は61、重さは78となります(極大と極小の差分です)
・全体の形状は「S字状」である(可解域の限界にきている)
アシモフは1985年に早くも同じ指摘をしてます。彼によれば
測定可能な長さの範囲は41桁、質量の範囲は83桁、時間の範囲は40桁 というこでした。質量の範囲はアシモフが不正確ですし、長さの範囲は測定技術の進歩なのでしょう。
このS字状というのがちょっと考えさせられます。上側の「観測可能な宇宙」と「陽子」は、それぞれ極大と極小の事物は観測可能なギリギリの対象を選んでいます。
そこで飽和するような傾向が出ているのですね。つまり、これ以上努力を傾注しても容易くは拡大しないことを意味しているのだと私的に解釈します。
- 作者: フィリス・モリソン,フィリップ・モリソン,チャールズおよびレイ・イームズ事務所,村上陽一郎,村上公子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 1983/10/30
- メディア: 単行本
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追記:公式サイトがあります。
http://www.powersof10.com/
寸法の規模の範囲は44であります。
アシモフの旧著。既知のことを書いていても面白く読ませるのはサスガです。
次元がいっぱい (ハヤカワ文庫 NF 28 ―アシモフの科学エッセイ 8)
- 作者: アイザック・アシモフ,酒井昭伸
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1985/12/01
- メディア: 文庫
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