首都直下型地震をはじめ、東南海地震など地震リスクの高まりを告げるニュースだらけで、いい加減食傷気味なのだが、さらにゲンナリさせる事実がある。
20世紀後半から2010年以降現在までの大地震(マグニチュード8以上)の発生の仕方が不気味なのだ。
下図を見ていただきたい。1900年以降のマグニチュード8以上の地震だけを拾い集めた図だ。
縦軸はマグニチュードである。従ってマグニチュード7などの地震は削除している。
1975年のマグニチュード8を最後にピタリと姿を消した大地震は、2004年のマグニチュード8.9でいきなり目覚めて、活動を三十年ぶりに再開する。その潜伏と覚醒の対比があまりに見事なのだ。2004年の大地震はスマトラ島沖地震だ。また、1976年の唐山地震はM7.8でカウント外だ(20万人以上の犠牲者だけども)。
そして、2011.3.11の地震はマグニチュード9で、この百年間で観測された最大クラスである。
いったい全体、どうして沈黙の期間があったのだろう。そして大地震が目覚めたのはなぜなのだろうか?
わからない。誰にもわからない。
下図は同じ期間における地震発生場所の分布である。太平洋沿岸部のプレートで巨大地震は高頻度で、発生していることが分かる。
この規模の地震になると地球規模の事象といってもよいだろう。30年間に人類は経済活動を飛躍的に拡大させた。それとの関連性が疑われる。経済活動はGDPベースで9倍となってる。経済活動は大地震を低下させるわけでもあるまいが。
もう少し詳細に時系列を見てみる。2000年からのマグニチュード7.5以上の地震の時系列である。
回数の差は歴然としている。2004年スマトラ沖地震以降に活発化しているのだ。もちろん東日本震災後はさらにM7が増えている。地球規模での身震いが起きだしているような感じだ。
30年間の沈黙とは地震エネルギーを貯めこむ、そんな時期だったのかもしれない。
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