WTIはアメリカ合衆国で産出する軽質原油の先物取引の情報としてニュースでよく顔を出します。ウエスト・テキサス・インターミディエートの略です。
WTI(原油先物価格)は原油の先物価格、つまり先行指標になりうるものだとしましょう。すると国内のガソリン代に何らかの関係性がありうるはずです。
過去の情報をもってきて、折れ線グラフにしてみましょうか。
1バレル(樽という意味)あたりのドルなので、これをなじみの単位に変換する必要があります。ドルを円に直し、バレルは159リットルとする。WTIをリットルあたりの円に勘定し直します。ドルの為替レートは過去情報からその月末ごろの値を使います。ガソリン税と消費税は除去します。
まず、これを日本のガソリン価格と比較してみましょう。全国平均の値を「石油情報センター」から参照します。
入手できるデータは2007年2月以降です。
WTIの変動はかなり国内のガソリン、灯油価格に連動しているのが見て取れます。相関係数を算出するまでもないでしょう。
国内のガソリン価格にはリットルあたり54円税金が含まれています。それを割り引いてみるとWTIの原油価格とそれほど差がなくなりますねえ。それと灯油とガソリンはそれほど差がないのも改めて認識しました。価格変動も同じようです。*1
WTIと国内のガソリン、灯油価格の差はほぼ一定といえましょう(輸送費、加工費、流通経費などが加算されているわけです)
最近だとほぼ40円ですね。この差分をもう少し探っておきましょう。
もう一つ、ついでに時間差分を比較しておきます。WTIは何と言っても先物なので。ガソリン価格とWTIの価格差を縦軸にします。
一ヶ月前のWTIとの差分はズレズレです。だが、当月同士でも悪くない。
2ヶ月前のWTIが、わりかし適合している感じです。
半経験的に次式が2ヶ月先のガソリン価格となるとしてよいでしょう。
国内ガソリン価格=WTIのリッター円価格+40円+54円
ということでこの差分値をもとに国内ガソリン価格の先読みは、ある程度できるのではないでしょうか。
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*1:なお、価格は月末価格ととるようにしています。