石油の価格が値上がりしている。ホルムズ海峡のイランの醸しだす緊張のせいである。
だが、それとは別にインドネシア油田が衰退しているという静かなニュースがあった。
最新刊の『日経エコロジー 』2月号の記事「油田衰退で低炭素化を模索 豊富な地熱で再エネ普及目指す」を読むと記者の主張である再生エネルギーへの転換ということより、輸出できる有力な産油国が消失しつつあるということの方が衝撃である。
その産油量は、かなりの減少していることを記事は伝える。
アジアを代表する産油国だったが、近年は原油生産量が減少。2004年には純輸入国に転じ、2008年にはOPEC(石油輸出国機構)も脱退した。
驚くべきことではなかろうか?
人口2億の国の基幹産業が姿を消しつつあるのだ。
確かに2000年以降、ガタベリである。
ピークオイルはここでも起きているのだ。
かつての産油国(1970年代までは石油大国で自前主義だった)であったアメリカも似たようなものだった。
これほど広大な国土の油田も数十年という期間で消耗したのだ。新興国が石油蕩尽レースに参入した21世紀、その前半に石油が行き渡らなくなる可能性は高いといえる。
再生可能エネルギーの拡大は重要だが、飛行機や船舶、それにロケットなどには石油製品の代替の目処はないんじゃなかろうか。
本当に、日本は世界最大級の石油輸入国なのだから、かなり危機意識を持たないと駄目だ。
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ダニエル・ヤーギンの本は石油問題に冷静に判断を下すための必読書だろう。「石油の世紀」は過ぎ去ろうとしているだ。
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