サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

動物への同情のレベル

 日本ではレバ刺しが、カリフォルニアではフォアグラが食べられなくなるとニュースが報じている。背景はそれぞれ異なる。日本では食の安全のためであり、アメリカでは動物愛護団体の活動結果だ。
 JR品川駅のそばにスローターハウスがある。そこでは日がな一日、牛の悲痛な鳴き声がする。
牛はどうやら殺さる運命を悟っているらしい。あるライターは処分場を目の前にした牛たちの脚がガタガタ震えているのをルポしていた。
 公民権運動ならぬアニマルライト運動があり、生存権を動物まで拡張しようとしている。
これは第一段階であろう。

 アフリカでは政府公認の動物管理局がアフリカ象をライフルで大量に撃ち殺す。密漁ではない。人間が増えすぎたためにやむを得ない措置なのだそうだ。
 野生のゾウは10年ごとに半減しているそうだ。あと20年くらいで一万頭をワルかもしれない。西洋化が進んだおかげで飢饉と戦争の繰り返しがアフリカでは慢性化した。密漁と管理虐殺で、野生動物との共存の時間もそう長くはないと思える。
 ちなみにゾウも仲間の死を理解できるといわれている。

 先進国にあるアニマルプラントは高等な四足獣である家畜にとって、アウシュビッツ同然である。狭い厩舎に肩スリ合うほど押し込められ姿勢を変えることもままならないゲージで、同じ種類の穀物を食べさせられる。もちろん疫病予防の抗生物質いりだ。何千、何万匹を狭い空間で飼育されている。飼育というより培養という言葉がふさわしい。

 こう書いている自分は菜食主義者ではない。あいにくと焼肉も食べれば卵も食す。まさにダブルトークだね。旨いものへの要求と動物の悲劇をかいくぐる解決策はないものか。
バイオテクノロジーで牛や卵を培養するというのが、逃げ道だろうか?
 それにしても貧弱な発想だね。

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