先ごろ、筑波大学発のロボットベンチャー企業が「HAL」を福祉介助に展開するドイツでの起業家を発表した。
福祉に向けて先端技術を投入するというのは、感動する。とくに、アメリカ軍が「無人ロボット兵器」で「テロ殲滅」の名のもとにイラクやアフガニスタンで、RQ-1プレデターのようなリモート殺戮をしているのと対比した場合、実に人道的であり、敬服すべきことである。しかし、「サイバーダイン」という企業名は、どうも頂けないのだが。
アメリカ軍が無人兵器で平気で民間人を殺すというのは、世界の嫌われものになる素質が十分である。今は「ヒロシマ・ナガサキ」と同じ価値観が底流にあることを指摘するに留めておく。
ここで、論調を変調させる。
かつて分子生物学者の渡辺格は「尊厳ある人類の終焉」を説いた。同じ頃に分子進化論(中立仮説)の木村資生は優しい優生学を説いた。どちらも弱者を擁護していると人類は遺伝学的に劣化してゆくと「科学的」危惧を抱いていた。
それからすれば、福祉に先端技術をという風潮は「尊厳ある人類の終焉」を日本人は選び取ることになるだろう。
要するに、遺伝子で考える生物屋の優生思想は、高齢者や肉体的or精神的弱者を生き延びさせる民族は自らの遺伝子の「弱点」=すぐに遺伝子プールから除去されるべき遺伝子を集団内に拡散させ、滅びの道を歩むという予想なのだ。
いかにももっともらしい推論であるが、還元論が大予想をするケースにありがちな飛躍が多すぎて、真偽は判断できない。
種の滅亡や衰弱の原因は、今のところ生物学的に、十分解明されていない。優生学というのも、疑似科学といえるだろう。
しかし、そうした反論を除いて、ロボット兵器と介護ロボットを対比するのは、現代文明を考えるうえで、人類のあり方について深い思いを誘うことも事実であろう。
サイバーダインという企業名に海外から、多数の「?」が寄せられている。映画「ターミネーター」の機種名だからだろう。
ロボット兵器の全体像はこの書籍を参考とされたい。
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人間の終焉―分子生物学者のことあげ (1976年) (エピステーメー叢書))
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米国のロボット兵器とイスラムの肉弾テロの実態はこの番組で学べる
http://rokugadb.digiweb.jp/special/robot/body.html