サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

糖尿病を語る

 糖尿病(diabetes)について書き留める。
世界共通のシンボルがある。ブルーマークだ。今や先進国病でなく新興国病にもなりつつある。経済成長と疾病の相関性は統計的=疫学研究にはもってこいのテーマだ。

 日本は世界で第7位の患者数なのだが、それは何に由来するのであろうか?
アメリカが最大の糖尿病大国であり中国やインドが急速に追いつき追い越す状態にあるのは、うなずけるにしても、上位10カ国にヨーロッパ諸国は登場しないのはなぜか?

食事?
運動習慣?
 それとも
遺伝子?

 糖尿病の遺伝性はしばしば、飢饉への耐性遺伝子として語られた。ニールのエネルギー倹約遺伝子仮設である。それは2型糖尿病への進化論的適応の結果とされている。

 1型糖尿病はランゲルハンス島でインスリンを分泌している膵臓のβ細胞が死滅するタイプを指す。
 2型糖尿病はインスリン分泌低下と感受性低下によるタイプで、生活習慣病として問題視されるのは2型だ。


 この本によればミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病もあるというのは初耳である。

臨床糖尿病マニュアル

臨床糖尿病マニュアル

 進化医学の立場から、元京大総長である医学者により古いけれども要領良く解説されている。

人はなぜ病気になるのか―進化医学の視点

人はなぜ病気になるのか―進化医学の視点