サイエンスとサピエンス

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作業仮説 経済のグローバル化は産業により結果が異なる

 「共有地の悲劇」はグローバル化による第一次産業のモデルではないかと予想される。ナショジオの「46カ国でサンゴ礁の大調査、意外な傾向が判明」からの思いつきだ。
 地域に根ざしていない第一次産業はコストと効率優先で、モノカルチャーのような収奪活動化することはよく知られている。サンゴ礁(今や確実に絶命しつつある種)の大調査から、サンゴ礁が衰微している「ダークスポット」は35カ所であり、「ブライトスポット」は11カ所という。
 ダークスポットは人口増大している地域に隣接しているという。早い話、誰でもサンゴ礁にアクセスできるし、温暖化も進んでいるし、生活排水もジャブジャブな地帯なのであろう。
ナショジオの記者はブライトスポットに希望があるという。そこでは伝統的な漁撈社会があり、よそ者たちは勝手な振舞いができない場所であるとされる。
 この一事をもって全ての第一次産業はTPPなどのグローバル化により、地域生態系が取り返しの付かないダメージというのは飛躍だろう。
 しかしながら、TPPのような協定はその憂慮は外れてはいまい。
 勿論、第二次産業第三次産業にとっておおきなチャンスであるのは正しい。これはマクロ経済学の理論&イデオロギの自然な帰結であろう。しかし、それとても生きる環境基盤があってのことではないか?
 製造業のガラパゴス化などと日本は自己卑下するが、どこでも同じ製品やサービスというのは第二次産業第三次産業の一つの型でしかない。ご当地グルメご当地キャラなどがその反例であろう。