アメリカ同時多発テロ事件のように誰も予想もしなかった事件から21世紀は始まった。立て続けに100年に一度どころではなく1000年に一度、そして、サブプライム破綻のように「一万年に一度」のような出来事が21世紀になって生じた。
2001年 アメリカ同時多発テロ事件 イギリスでの牛の口蹄疫
2004年 マトラ島沖地震 (Mw 9.1 - 9.3) 20万人以上の死者・行方不明者が発生
2007年 サブプライムローン破綻
2011年 東北地方太平洋沖地震 (Mw 9.0 - 9.1) そして、福島第一原発事故
2013年 ロシアのチェリャビンスク州に隕石落下
2016年のトランプ大統領の誕生も滅多にない事件といえなくもない。いうまでもなく異常気象は軒並み観測史上初を記録している。「地球の記録-アース・カタストロフ・レビュー」
古い事例を引用しよう。
1977年のテネリフェ空港ジャンボ機衝突事故はジャンボ機同士の衝突で583名の犠牲者を出した。誰もそれまでジャンボ機同士の衝突は予測だにしていなかった。発生確率が低い事象が二重に起きることは稀であろう。
福島第一原発事故はその事例であろう。だが、ひとたび起きてしまえは当たり前になってしまう。
まれにしか起きない出来事が軒並みであることは未来の不確実性が増大していることと言い換えられる。リスクはなんとか計量化できて対処策を講じることは出来る。統計手法でいえば頻度主義の推計統計学が有効な世界といえよう。
他方、不確実性はそうではない。朝食前に起こり得ないことを信じる。そうしたルイス・キャロルの世界ではベイズ統計が覇道となる。いまやベイズ主義を幾分なりとも取り入れていない統計学者は少数派になったとまで言われる。ちなみにキャロルの『鏡の国のアリス』で赤の女王がアリスにそう助言している。
ガルブレイスの頃は経済的「不確実性の時代」だった。21世紀となってからは経済だけではなく、天災、疫病、事故、事件などに拡散した「不確実性の世紀」といっても良いだろう。
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起こり得ないことを信じるのは「不思議な国のアリス」の
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