サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

どうぶつ社を悼む

 昨年に活動を停止した「どうぶつ社」。中央線沿線に位置した「地方」出版社である。地方といっても杉並区高円寺であるけれど。
 その出版物にはいろいろと裨益された。まず、シンプソンの進化論もの。この馬の進化本は希少価値がある。

馬と進化

馬と進化

エレイン・モーガンの啓蒙書シリーズの風変わりでよろしかった。

女の由来―もう1つの人類進化論

女の由来―もう1つの人類進化論

 日本流にいえば渚原人進化説はとくに論争の的になった。アクアティク・エープ説だ。
海辺でプカプカ浮いているサルが脱毛して人類になった。頭髪が残ったのは頭だしの痕跡だというわけだろう。最近になってお風呂の長湯で指に皺ができるのはものを掴みやすくするためだという学説が生まれたが、これも渚原人進化説にひも付けできるかもしれないな。

人は海辺で進化した―人類進化の新理論

人は海辺で進化した―人類進化の新理論

人類の起源論争―アクア説はなぜ異端なのか?

人類の起源論争―アクア説はなぜ異端なのか?

進化の傷あと―身体が語る人類の起源

進化の傷あと―身体が語る人類の起源

類書がすくない動物コミュニケーションの次の解説二冊で開眼させれたこともある。

動物たちの話し声―音声とコミュニケーションの研究 (自然誌選書)

動物たちの話し声―音声とコミュニケーションの研究 (自然誌選書)

動物は何を考えているか (自然誌選書)

動物は何を考えているか (自然誌選書)

 睡眠研究も最近は下火になったようだが、当時は目新しいものがあった。

夢見る脳

夢見る脳

男女関係の生物学的解釈の女王ヘレン・フィッシャーの本も一冊あった。

結婚の起源―女と男の関係の人類学 (自然誌選書)

結婚の起源―女と男の関係の人類学 (自然誌選書)

社会生物学論争ものが出たこのころが、どうぶつ社の最盛期であったような気もする。

社会生物学論争―生物学は人間をどこまで説明できるか (自然誌選書)

社会生物学論争―生物学は人間をどこまで説明できるか (自然誌選書)

 そして、自分が最後に入手したシートンの動物観察本

シートンの自然観察 (自然誌選書)

シートンの自然観察 (自然誌選書)


というわけで、お世話になった「どうぶつ社」さん、再活動を祈念してます。


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