『モヒカン族の最期』は米国人作家クーパーの作品だ。米国の純然たる文学作品だけど、この本の影響は甚大で、インディアン戦士は欧米の児童文学ではかなりの人気らしい。子供らの誰もがこの本でアメリカ・インディアンに憧れるのだとか。
確かにストイックで見事なまでに鍛錬された戦士のイデアルな姿がここにある。
ハリウッドでも何度か映画化されている。出だしからカッコがいい。
悪役インディアン部隊の奇襲を受けた白人女性らを3人のモヒカン族(そのうち一人は白人の養子)が助けるところから、映画は始まる。
モヒカン族は3人の父子家族で、白人主人公は義理の息子。幼少の頃にこの家族に助けられ養子となる。生き方は完全なインディアンだ。純粋なモヒカン族は父親とその一人息子。モヒカンの最後のファミリーだ。
あとは、映画なり小説なりを鑑賞いただくとして、この作品が高貴な野蛮人、崇高な戦士の久遠のイメージを提供しているのは間違いない。
かなり入れ込んだ映像と映画音楽。*1
ヨーロッパ(特にドイツ)でのクーパーの作品評価はこの書をごろうぜよ。ヒューリマンの児童文学のガイドは定評がある。それによれば、ドイツの子供たちは中世の騎士でもなければ、ケルトの戦士でもローマ軍団でもなく、アメリカインディアンの戦士を好んで模倣し遊んだのだ。
クーパーやカール・マイの魅力はそれほどのものであった。
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ダニエル・デイ・ルイス主演の映画。やはりいつ見ても面白いのでござる。
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