孤高の史学研究者、高群逸枝女史にたむけるミュージック[Eternal Odyssey]
バーバーの「アダージョ」の現代的アレンジでお届けします。
33年間「森の家」にこもって研究生活にあけくれた。一歩も家を出ずに夫の支援のもと著述に専念したのだ。その家は
敷地は間口十間、奥行き二十間の二百坪。クヌギや栗を中にして東と西と南は先々代が植えたという杉、松、檜等の常緑樹がふちどっており、間がわりの大欅が一本ある。そして敷地の北寄りにクリーム色をした方形の建物―三階建て上下各三室、延べ約二十坪―がたち、西北隅の思いきり枝をひろげた檜の下の井戸からは飛び切り上等の水が得られるのだった。
木々に囲まれた邸宅であったのだ。戦後、夫妻は「女性史学研究所」の看板をこの家に掲げた。二人だけの研究所であった。この「史跡」が貴重なのは妻の研究をひたすら支えた夫という珍しさ、それに文字となって残った夫婦の生の記録があることか。
旧「森の家」は、もはや森に囲まれてはいない。そこはひそやかな児童公園になっている。家屋は昭和41年に取り壊されたのだとか。夫・憲三や遺族はもはや逸枝のいない家に未練はなかったのだろう。
住所を元に探してみた。
現地の案内写真
児童公園になっているとは知らなかったので、探すのに一苦労しました。
児童公園入り口。大きなマンションのわきにあります。
わずかに歳月を経た樹木が往時を偲ばせます。
現地は「世田谷区桜二丁目七番三号」で、閑静な住宅街のなかにあります。
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上記の「森の家」の記載はこちらを参照してます。
高群逸枝―火の国の女の日記[抄] (人間の記録 (115))
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