本日、「不確定性原理の欠陥実証 名大教授ら」とニュースになった小澤正直の不確定性原理はハイゼンベルクの理論の欠陥を暴いたのではなくて、より精度がたかいハイレベルな理論というわけでしょうね。
ナノテクや量子光学などいろいろな用途がでてくるといいですね。そうすると久々の原理的なレベルでのノーベル賞に輝くかもしれないので。
小澤の不等式はこうだ。
ε(Q)η(P)+ε(Q)σ(P)+σ(Q)η(P)≧h/4π
ε(Q)は位置Qの測定にともなう誤差、η(P)はそれによって生じる運動量Pのかく乱、σは位置あるいは運動量の標準偏差。
記法が正統的な物理学のとは違うので、とまどう。
h/4πは定数(hはプランク定数)なので、これらの誤差やかく乱はゼロにできない。
それどころか、位置の測定を小さくすると他の誤差が拡大してしまうこともある。
統計的な測定誤差と量子力学の確率的な特性にまつわる原理的なゆらぎを統合化して
ハイゼンベルクの原理をなかに含むかたちにまとめてあげている、というのが小澤の式の解釈なのでしょう。
つまりは、量子論的な不確実性と測定論的な誤差を組み合わせて精緻化を達成したというべきであろう。学者によっては観測理論をこの原理までにおとしこめると考える向きもあるという。だとすれば量子力学の懸案事項が解決する、あるいは大きく前進するかもしれない。
新たな理論の可能性が拓けたことは喜ばしいことだ。
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