サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

ミツバチと人類との蜜月はいつまで続く

 ミツバチは人類を友として認識しているだろうか?
いつもながら非理性的な問いかけだ。それに応答するまえに、ミツバチと人類の関係をおさらいしておこう。
 養蜂家の飼うミツバチの大半はイタリアの片隅で発見された、おとなしく勤勉なセイヨウミツバチの一種だ。
 このハチはせっせと働く。それ故に、日本の養蜂業でもこのセイヨウミツバチのシェアが高い。勿論、東洋ミツバチも取り扱いはするらしい。

 さて、巣箱の問題だ。ハチの飼育はエジプト文明に始まる。だが蜜の採取のためにハチの巣をまるごと破壊していた。煙でいぶしたりして一つの巣ごとハチを殺していたのだ。
 これはあんまりだ。
その状況を打開したのが、双極性障害アメリカ人のラングストロスだ。ハチたちを苛むことなく蜜を採取でき、さらにはハチたちの営巣エネルギーをムダにすることもなくなった。
今や、ハチたちは全精力を傾けて蜜の採取に勤しむようなったのだ!
 ここにおいて、人類とハチたちは共生の第一歩を踏み出したのだ。ときは1860年代だ。
それから150年。人類の農業システムの不可欠な一部にまでハチはなっている。果樹はハチがイなければ実らない。アーモンドもいちごもだ。
 ではハチたちは人類を、少なくとも養蜂家を有益な友とみなしているんであろうか?
それとも搾取する資本家とみなしているのであろうか?
 一つの想像としては、貢物を必要とする巨神族としてやむなく容認しているというのはありそうだ。だからハチたちは養蜂家を刺さない。

 ハチの研究最前線

ミツバチの知恵―ミツバチコロニーの社会生理学

ミツバチの知恵―ミツバチコロニーの社会生理学


 ラングストロス『巣箱とミツバチ』の原著ダウンロード
ラングストロス『巣箱とミツバチ』(原著英語版)pdf