サイエンスとサピエンス

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ジョギングする成人男性は地球温暖化を招く

 イタリアの大学教授がジョギングをする男性の二酸化炭素排出量とハイブリッド車のそれとを比較したところ、4人の成人男性のカーボン排出量はハイブリッド車を超えているとした。(日経サイエンス2011年7月号参照)
 これを誤解前提で「ジョギングする成人男性は地球温暖化を招く」としているのだが、どうもそう単純なハナシではなさげだ。
 もし男性のカロリー源が植物由来で、その植物が何らエネルギー投入されていないなら、バイオエタノール同様に地球温暖化には影響しないとしてもう良いだろう。

 現実には、穀類や肉類には肥料やら農薬やらが含まれており、それらはエネルギーを投入して製造されている。農業には、これまた、機械化設備や地下水汲み上げに電気が消費されている。運送費や梱包費などは仮面をかぶったエネルギーコストでもある。
 結果、大部分のエネルギーが火力由来であるので、脱カーボンとはほど遠いであろう。そうして、多くの人びと、とくに先進国の人びとはエネルギーまみれの食糧で生きているとしても間違いではない。
 エネルギー源の半分以上は火力で供給されているのが先進国の実態だろうから、先進国の人びとはは地球温暖化に一役も二役もかっていることになろう。
 ましてやジョギングなどは酸素の無駄遣いに加えて温暖化そのものなのかもしれない。言い換えるならば、機械化された集約農業による食糧を食べない、そういう人びとだけが自由に運動してもいいのだ。