あっという間の逮捕であった。
2013年ボストン・マラソン爆発事件は4月15日に発生。容疑者たちが全員把捉されたのは19日であった。
これほど迅速な容疑者識別が可能であるわけは、USが監視社会であるからだ。
そう。圧力鍋や火薬の出処を追うような従来の足での捜査は、もはや時代遅れなのだ。
精度の高い街頭監視カメラや交通網での監視装置が至る所にあり、それが高度な画像解析に使えるようにネットワークで統合されている。画像解析には顔認識技術が組み込まれていて大量の映像から探したい人物を見つけ出してくれるのだろう。集団とはずれた振る舞いを特定する行動解析も出来るようだ(随分前から無線タグで同様な解析は可能であったけど、動画から識別できるのは凄い)
容疑者の兄弟たちが移民であったことも解決を早めたに違いない。US入国時に外見を含めた人物情報はデータベース化されているのだから。
こうして、二種類のマスターデータを統合することで、容疑者は絞り込まれる。どこに住んでいるかはソーシャルセキュリティ番号や免許証管理システムなどでサーチできるのだろう。
悪ははびこらない!
それはそれで良いのだろう。
気になるのはデータベースの管理者がどれほどの力を持つかだ。人びとの行動が監視されるだけではない、特定の人物の弱みを握り、裏で権力を牛耳ることも不可能ではないのだ。
かつてのFBIのフーバー長官のように
FBI―独裁者フーバー長官 (中公文庫―BIBLIO20世紀)
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