サイエンスとサピエンス

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宇宙家族ロビンソン

 レトロなホームSF『宇宙家族ロビンソン』(Lost in space)という文化人類学的な検討に値するTVシリーズがあった。
 アメリカの核家族の生活をそのまんま宇宙旅行に持ち込んだだけのお話だ。忠犬の代わりにロボットの「フライデー」がいる。ドクタースミスという異分子は道化役だ。しかも白人だけでクローズした古き良き時代(WASPにとっては)を再現している。
 数ある「ロビンソン・クルーソー」ものの一つで、「スイスのロビンソン」の直系ではないかと想像する。家族で島流しの子供向けのお話であった。

 ここで家族という神話が語られる。いかなる危機に際しても家父長を中心に立ち向かえば必ず乗り越えられるという神話だ。核家族が崩壊に向かいつつある21世紀人とって理解し難い神話となる運命だ。
 
 個人的には、家族連れでUFO型ロケットで宇宙にキャンプにいくという雰囲気がたまらん。忠犬ロボットが危険を警告してくれるが、敵に立ち向かわない弱い犬の役柄だ。

 古き岩波文庫の埋もれた迷作だ。

スイスのロビンソン (上) (岩波文庫)

スイスのロビンソン (上) (岩波文庫)

 まんが好きは、宇宙家族カールビンソンを忘れるべきではないだろう?!
原作とははるか遠い雰囲気なのだ。

宇宙家族カールビンソン (1) (講談社漫画文庫)

宇宙家族カールビンソン (1) (講談社漫画文庫)