ガリレオ・ガリレイから近代科学が本格的に始動した。その歴史的な背景は、当然のごとく、16世紀イタリア・ルネサンスに精神の拠り所をおいてもよいだろう。
ここでも、例によって違う事柄から記述を始める。ヘレニズム期末期に古代世界最大の数理物理学者アルキメデスは、南イタリアはシチリアで活動していた。
軍事強国ローマに滅ぼされた都市国家シュラクサイだ。
それ以前に南イタリアは長靴の底あたりにあったクロトン、その土地にピュタゴラス教団が強烈な数理神学を打ち立てたのを指摘してもいいだろう。
それに加えて、エレア学派の基地も南イタリアにあった。現在の地名でヴァーリアである。エレア学派の論理がエウクレイデスの幾何学でどのような重要な役割を占めているかは、既知としておく。
この土地は「マグナ・グラエキア」と呼ばれた。大ギリシアだ。
つまりは、南イタリアに古代世界有数の数理物理学者の始祖たちが棲息していたのを思い出してほしいのだ。
ガリレオはルネサンスの申し子の一人だったかもしれないが、ピュタゴラスやゼノン、アルキメデスの遠い子孫の一人であったかもしれない。
ガリレオの父母はいずれも北イタリア出身であるが、その先祖がエレア学派やピュタゴラス学派の血縁であると夢想するのも楽しいではないか?
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大いなる博識家ホッケは古代人を思い描きながら、南イタリアを旅する。ギッシングの旅行記と比較するのも面白い。
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