サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

火球の頻度増加の件

 このところ2週間に一度くらいで火球のニュースが流れる。それも国内での目撃なのだ。その軌跡情報から落下場所を推測して隕石のかけらを民家の屋根から発見なんてこともあった。おそらくは他国でも同様であろう。

 その増加の主要因は、スマホや定点監視カメラなどの記録装置の普及&増殖とされる。ニュースネタなので映像があれば取り上げやすいのだ。

 これが、一昔前であれば、東の夜空に光る物体がゆらゆら飛びましたという目撃者の談話を新聞の片隅でたまーにみかける、そんなのどかな時代もあった。

 であるので、ここからはスペキュレーションにすぎないのだが、近い将来に科学者が

「火球増大の原因は人類による小惑星帯への観測衛星による」という説を主張する可能性をメモっておく。

 ハヤブサ1&2のような小惑星に力学的インパクトを与えるような探査機が小惑星帯のような準安定な多体系に及ぼす天体力学的な影響を見積もることは困難かもしれない。

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 でも、影響なしと言い切れるか?

 この杞憂のタネはカオス理論にある。南半球の蝶の羽ばたきが北半球の嵐につながるという、あれである。

 小惑星帯に物理的接触をしてから10年にもならずして、地球にそのかけらが飛来するには時間的に短すぎるという反論もあるかもしれない。しかし、現にハヤブサは2003年に打ち上げ、2005年にイトカワに一発オカマを掘るという偉業を成して、帰途は5年で

地球に戻っている。帰途は最小限の噴射でスゥイングバイなどを利用しながらの帰還だったはずだ。数年で小惑星帯から地球まで破片は移動できるのであろう。

 木星への隕石衝突を京大で観測に成功したというニュースが10月にあった。木星への隕石衝突といえば、シューメーカー・レヴィ彗星(1994)の天体ショーが有名だ。

 一つの予測として、木星への隕石衝突の観測は増大する。地球への飛来するのだから木星への衝突も増加、劇的に増加するだろう。...としておこう。

 

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【参考文献】

 この本の太陽系カオスが読みどころ