スーパー強力な台風19号はどうやら心配したほどの爪あとを残すことなく東方に去った。
しかし、台風には防災先進国であると自他ともに許す日本はなすすべもなく、国民は身を縮めて各自が家に閉じこもる他ない。警報が出たら指定避難所に逃げ込むのがその次の自衛策だ。
今回の台風の最大瞬間風速85mというのは時速300キロ相当だ。そんな強風にまともに吹きまくられると耐震性がある高層ビルですら、無事ではすまないのではないか?
そんな脅威におののくばかりじゃ、大和男児にあらず。
ここでは、こうした巨大台風への積極的防災工学を考えたい。
台風の勢力を減殺するためのリング状メガフロートによる洋上迎撃システムを提言したい。
ビジュアル化する余裕があまりないので、ことばでの説明でお茶を濁す。乞う、ご寛恕。
直径200キロの円状にメガフロートを300基接続する。メガフロートとは鋼鉄製の人工浮島である。4000m級のサイズのものが製造可能であるとされている。
このメガフロートに何をさせるか?
洋上発電である。
メガフロート甲板上に強度のある小型の帆をつける。大型の帆では十分な強度は保証できないが、高さ2m程度であれば強風と塩害に耐えられる素材はあるだろう。
台風の強風によって、直径200キロのメガフロート・リングが回転開始すればしめたものである。メガフロートの船底には発電機に接続したスクリューをつけておく。この発電機はハイブリッドカーの回生ブレーキと同じメカニズムだと考えていただきたい。
スクリューはメガフロートの回転運動により発電を開始するのだ。発電された電気はマイクロ波転送される。マイクロ波による無線電力転送システムは夢の技術というわけでもない。テスラが研究したこともある。
このシステムは二重の仕掛けで台風からエネルギーを吸いとる。海面上の多数の帆のよる空気抵抗と鋼鉄メガフロートの回転運動から生成される電気エネルギーである。その電気から大気中の炭酸ガスを冷却して、ドライアイスを生成し、台風の中心部の大量に撃ちこむというオプションもありえるだろう(昔の気象制御ではそれを本気で考えていた)
エネルギーのタダ取りと台風の減災を目指すのでありますな。
何をか言わんや関東平野である。
そういう非難はあるだろうが、台風に傍若無人に国土を荒らされるのは座視できないのだ。
台風のもちくるエネルギーを洋上発電により吸収することで、数パーセントでもその勢力を削ぐことができれば市民の生命と財産を少しは救える可能性があるのではないか?
気象工学的シミュレーションにより、台風の進路をそらすこともできるかもしれないのだ。使い方によっては津波波動制振装置にも転用できるかもしれない。平時は洋上リゾートと水産基地利用だ。
これぞ自然界の脅威に対抗する道ではないだろうか。ノーベル平和賞候補の憲法第九条を持つ先進防災国家が選択する投資ではないだろうか。
実現手段に差はありますが発想は同じのこんな真面目な研究もあります。
[https://kaken.nii.ac.jp/d/p/20656145.ja.html:title=台風エネルギーを利用する発電船システム]
そういえば〜、こんな大時代的なSFもありました。ほとんど人知れず永眠したベン・ヴォーバは技術SFの大家でありました。
- 作者: ボーヴァ
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- メディア: 単行本
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大昔の貴重な研究書。科学がまだ希望の的であったころ、真面目に気象のエンジニアリングを検討してます。
- 作者: 高橋浩一郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1961
- メディア: ?
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