サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2021年春の中国異常気象に関連した事件

 5月18日に中国深圳の高層ビル(75階建て、355m)が揺れた。外からもその揺れは見えた。なかにいた人々は全員避難する騒ぎだった。地震があったわけではない。なにかに共鳴したという説がある。とくに有力視されるのが強風に共鳴したという地元メディアの説だ。SEGプラザビルは世界で72番目に高いビルである。

 


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【5/24追記】 

 上記の超高層ビルに関しては、いくつかあってはならない情報が追加されている。

設計図面さえなかった』と韓国の中央日報は伝えた。

基礎工事完了後、施工会社選定過程で完成された図面を提供することができなかった」とし「基盤工事には5000万人民元(現レートで約8億4600万円)以上がすでに投じられていて、工事が中断されれば財務負担が大きくなり、やむを得ず(この状態で)工事を始めざるを得なかった」と明らかにした。また「総合建設業者を確定させたが、作業中に図面を待つことが多く、たびたび工事が中断された」

  設計図面が残っていないのでは、補強対策はたいそう手間取ることだろう。

SEGプラザは世界有数の高さを誇るビルだ。地元の経済振興の象徴でもあろう。それがこのような手抜き工事で建設され、放置されているというのは、別の意味で中国のインフラの品質を物語っている。スピードと利益優先の工事があり、それを野放しにする監督省庁と官僚だ。

 やがて、手痛いしっぺ返しにあうだろう。というより2021年春の異常気象はそのしっぺ返しの初発だ。

 

 ところで同じ中国の広西チワン族自治区の大学で15日、電動バスが爆発するという事件が起きている。EVのバッテリ欠陥という説もあるが、その日の40度という「高温」が要因の一つであるのは間違いなさそうだ。

 さらに5月7日には中国・吉林省の琵岩山でガラス張りの橋の床が落下した。地上100メートルの高さに架橋された観光名所だった。男性が取り残されたが救助された。

これも強風が吹いていたのが、それが原因となり強度不足の橋を破壊したという。

 

 つまり、5月には中国南部で異常気象が起きているわけだ。それが人工物の破損や揺れにつながっていることが、これらの事件の共通点だといえる。

それを直截に報じたのが「中国 竜巻相次ぎ12人死亡 4月末から“異常気象”」というニュースである。

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 日本でも大雨が西日本で降り出している。西から天気は変わっていくが、その出だしは中国南部だということは覚えておいていい。