サイエンスとサピエンス

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極値統計のメモ

 ガンベルもしくはグンベルの極値統計についてメモる。鬼怒川氾濫があったことだし。
グンペル(Emil Julius Gumbel)はドイツのミュンヘン出身のユダヤ系ドイツ人。ナチにより亡命に追い込まれた。平和主義者だった。
 極値統計は極値分布の当てはめを行うことだ。極値とは最小値と最大値のこと。
ある事象の集合における最小値と最大値の統計的振る舞いを扱うわけである。

極値分布としてはワイブル分布、フレッシュ分布とグンベル分布がある。水文学、つまり、降雨量や河川の増水量などにはグンベル分布をよく使う。つまり、当てはまりがいいということだろう。

 タイプ?の最大値のグンベル分布を書く。

添字のXはextreamの意味だろう。ここのa,bは調べたい量から、下式で求めればいい。

 応用はこうなる。

 年間最大の流量が平均値μ=100m^3/s 標準偏差σ=20m^3/sであるとき、流量200m^3/sを超える確率はどうか?
 定式より、a=0.0641275、b=91.0023
よって、
 

 これは0.0009207
となるわけだ。随分と小さな確率である。この逆数が再現期間になる。つまり、200m^3/sが再来する平均的な生起時間間隔である。
 
 1086年


 上記の計算の参考文献

水圏水文学

水圏水文学