訳のわからないタイトルでありますが、一般のサラリーマンの仕事着であるスーツやその他身にまといつけるものが、どれほど「拘束」的であるかを書き残しておきたくて、まとめました。
日本のビジネスマンとかの正装で拘束的な役割を持つものをあげつらいます。
上半身からいきましょう。
ネクタイは縛りものの最たる例ですね。首紐の変形ではないかと思いますが、おそらくはイギリス紳士のマフラーか何かの零落退化したのがネクタイ(首を結ぶヒモ)です。番犬か猟犬かどちらかに象徴的に近しいのでしょうね。社畜の表れと悪態をつきたくなる厄病神的なヒモです。
Yシャツのカラーももとはといえば、首の周りを覆うハードな覆いでした。
ズボンのベルトも革ひもです。目的はズボンがずり落ちないということだとしても、腹が苦しくなる一因であります。トランクスのゴム紐も腹を締め付けるのに一役買う、憎い存在ですね。
まことに残念ながら、小生の周囲にトランクスのゴム紐を憎むような偏狭かつ酔狂な人間はいないのも事実です。
おっと、腕時計のベルトもなかなか、締め付けが厳しい、これはまさに鉄の拘束具ですな。時刻は人生を惨めなまでに切り刻み約束事がただでさえ短い生命を寸断します。まさに見えない鋼鉄製の手錠ですな。携帯電話もwiredなエイリアンです。他者messageは自我に食い込み、社会的紐帯となって思考を雁字搦めにしてしまいますので、取扱い注意です。
サルマタを履いていれば、これも暑苦しい存在です。不敬な知人が、サルマタは男性用「レギンス」であると主張してました。そうであるならば、ここではコヤツは目をつぶってやり過ごしましょう。
寒さしのぎにはなる冬物のコートも重苦しい存在です。まるで、「アラビアンナイト」の「海の老人」ですが、これもスルーしておきましょう。
靴下。こいつも厄介物です。
足首をグビグビしめつける嫌みなやつ。安物のソックスはとくにそうですな。そのせいで、マイホームに戻るやいなや男性どもは靴下を脱ぎ捨てます。おまけに蒸れて発酵臭もつきまとう。
なかでも革靴は宿敵です。つま先、かかと、足踏まずをこれでもかとばかり、自分の型に嵌めようとするファシストです。これこそ、人類にとって最悪の矯正器具でしょう。男めかけの纏足器具であります。
結論めいたことを書くならば、サラリーマンは上から下まで行動と体型を型にはめられた人種だと言えそうです。
【参考資料】
身体を締め付ける幾多の西洋式衣装をあげつらったのはルドルフスキが最初でしょう。
最近のブロガーたちは体系的には誰もこうした文句を呟くことはないです。体型的に西洋化してしまった輩はそうなるんでしょうな。いまでは20代男性たちはつま先の尖った革靴を履いてます。
- 作者: バーナード・ルドフスキー,加藤秀俊,多田道太郎
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 1979/11/15
- メディア: 単行本
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サラリーマン正装のアイドルマスタとしてボウ・ブランメルの名を出すのは小生のひねくれ根性のせいかもしれません。例を見ない衣装ナルシスト。このナルシストの力がサラリーマンにも及んでいるから「拘束衣」が「聖衣」と変じているのでしょうか。
- 作者: 生田耕作
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昔読んだこの本も教訓的ですね。イギリスのジェントルメンの風俗史です。もちろんブランメル君も登場します。
- 作者: 中野香織
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スーツにまつわる虚栄を超拡大したのが故バーリントン・ベイリーのキテレツSFです。
- 作者: バリントンJベイリー
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