日経メディカルをもとに21世紀になってからの耐性菌の跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)の有り様ヒストリアを追いかけてみた。
記事は見出しベースであります。
2000年の記事が開始となる。まずは世紀末で「特集」扱いの耐性菌。20世紀は抗菌剤という魔法の弾丸で細菌類=病原微生物に人類は赫々たる戦果をあげた。
しかるに、これから開幕する21世紀は耐性菌の世紀なのだ。反撃開始する病原微生物と人類の壮絶なバトルの世紀になるということだ。
✔ 2000年12月号 特集 外来で急増する耐性菌 経口セフェムでは歯が立たず
✔ 2001年9月号 耐性菌、難治例が急増の様相
中耳炎でカルバペネム系への耐性菌が増加とのニュース。子どもと耳からの発症。発祥でもあるか。
✔ 2006年8月号 特集 進化する耐性菌 外来でこう戦う!
5年後の特集であります。
この頃は単性耐性菌であって多剤耐性ではなかった「古き佳き時代」なのだ。だが、MRSAがとびひから検出されているのも事実だ。
✔ 2010年6月号 アネシトバクター菌 抗菌薬30種以上無効の耐性菌を確認。
米国で交通事故の治療を受けて帰国した患者から検出された。欧米では2000年代から確認されていたのだ。
✔ 2010年9月 多剤耐性で厚生省が注意喚起
NDM-1(ニューデリー・メタロ・βラクタマーゼ1)の速報。いよいよ本格的多剤耐性の日本での出現。
✔ 2010年11月 特集 多剤耐性菌事件の本質
この年、マスメディアが騒ぐ事件が起きる。9月の帝京大学病院の多剤耐性アシネトバクター(MDRB)感染のニュースであります。
国際的な注目を浴びる6種の多剤耐性菌MRSA、VRE、ESBL、MDRP、MDRB、MRABなどの記事が載る
✔ 2010年冬
90年台以降、新規抗菌剤リリースが低迷しだす。国家レベルの耐性菌対策の必要性が識者から訴えられる。
✔ 2011年夏 滞る抗菌薬開発
上記に関わる記事紹介。
この時点では欧米が耐性菌MRSAやVRE、ESBL、MDRP(多剤耐性緑膿菌)などの蔓延に苦しみだしていた。
日本はまだ安泰感があった
✔ 2014年1月 耐性菌の脅威はテロリズムに匹敵
英国主席医務官の警告。欧州では年間25000人が死亡。
この人数はテロリズム以上だな。
✔ 2016年8月 切り札のコリスチンに耐性菌出現
米国CDCが5月に発表。49歳女性の尿路感染症で見つかる。
1950年代に福島県で採取された土壌細菌から生み出された抗菌薬のホープ コリスチンであります。
福島も世界の医療に貢献していたのだねえ。
✔ 2016年10月 「薬剤耐性菌は爆発前夜」日本化学療法学会理事長
つまりは欧米並になるということだ。海外の観光客増加もそれを増長するだろう。
✔ 2016年10月 特集 耐性菌による感染症の脅威
CRE、淋菌、市中型MRSAも
CRE カルバペネム耐性細菌科細菌の略
2015年 カルバネム耐性菌の感染報告の増大 2016年も傾向が続く
このまま放置すれば2050年には年間1000万人の死者を生み出すという予想だ。
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【なくもがなのコメント】
ということで、人類vs細菌とのバトルでよくなる兆しはあまりないというニュースと記事ばかりであった。
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