サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

自然人類学 始祖人類の年代的傾向

 自然人類学での人類の出現に関する発見は、21世紀になっても塗り替えられてばかりのようであります。
 サヘラントロプス・チャデンシスのような700万年前まで始祖が遡ってしまっている。この下を噛みそうな名前のお骨はしっかり頭蓋骨が残っている。チンパンジーとははっきりと異なる。
 ホモ族は200万年前までのホモ・ルドルフエンシスで、それ以前のアウストラロピテクスやパラントロプスなどを総称して、「ホミニン」と呼ぶようだ。
 石器は約250万年前までのオルドワン石器まで遡るようであるから、パラントロプスも使用していたかもしれない。

 このご先祖様の発見の趨勢を縦軸をその推定出現年にして示しておこう。

 2003年に特異な人類「ホモ・フローレシエンシス」が見つかり、その前年には最古の人類的な特徴がある頭蓋骨「サヘラントロプス・チャデンシス」が発掘された。最近の種族と最古の先祖種が立て続けて見出されたわけでありますな。
 こうしてみると他のホミニンを押しのけて最近の百万年にホモ・サピエンスに収斂したことがよく分かるし、だが一様に収斂したわけではないようだ。
 まだまだ人類の先祖の探求は奥が深そうな気配が濃厚である。



 



【参考資料】
 最近の発見の総説は『日経サイエンス』の特集が一番よいだろう。

日経サイエンス2014年12月号

日経サイエンス2014年12月号

人類20万年 遙かなる旅路 (文春文庫)

人類20万年 遙かなる旅路 (文春文庫)

人類進化の700万年 (講談社現代新書)

人類進化の700万年 (講談社現代新書)

 宇宙観測と人類学は始原に関する最大のミステリーであり、未だに新発見の連続だ。