サイエンスとサピエンス

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デボン紀の巨大キノコ

 アフガニスタンにUSAが最強爆弾を投下した。核爆弾のようなキノコ雲が出現したというニュースが昨日、流れた。通称「MOAB(モアブ)」、つまり、大規模爆風爆弾(GBU-43/B Massive Ordnance Air Blast)という9mクラスの大型爆弾なのだそうだ。

 もっと平和な時代であっただろうデボン紀の巨大キノコを思い出すことで、この爆弾の嫌な後味を拭い去ろう。

プロトタキシーテスは史上最大の菌類だ(発見されたものとしては)
高さは8m以上、直径も1mはある。菌類なのにMOAB並みの大きさだ。
デボン紀といういうから4億2000万年前で古生代。樹木性植物が陸上で繁茂した時期となる。
 キノコといったがその形状はサボテンみたいだ。
 どうやってその巨体を支えていたか、何を栄養源としていたか、どんな色であったか、よくわかっていない。この巨大キノコが滅びて後、二度と再び巨大な菌類は登場することがなかったことは確かだ。といっても地下の菌糸網は違うようだ。
 こんな報告がある(D.W.ウォルフ『地中生命の驚異』より)

 1992年ミシガン州で、フットボール競技場数個分に匹敵する広さの雑木林から、アルミラリア・ブルボサ(ナラタケ属の一種)という菌が採取され、その遺伝子分析が行われた。その菌が1500年以上も遺伝的に安定を保ってきた一個の生物体であることがわかった。個体としての重量は10万キログラムと推測された。

 こうしてみると、卑小なものほど偉大なのかもしれない。菌類は端倪すべからず大いなる存在なのだ。


【参考文献リスト】

人類とカビの歴史 闘いと共生と (朝日選書)

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菌類の生物学: 生活様式を理解する

菌類の生物学: 生活様式を理解する

地中生命の驚異 -秘められた自然誌-

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