サイエンスとサピエンス

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森林生態学者と中国天童山

 中国大陸での緑の回復に最も貢献している人物の一人である宮脇昭は、近年になって、ますます、森林破壊の行着く先の人類の未来について、憂慮の念を深くしている模樣だ。
 それはともかく、この優れた森林生態学者は上海市の奥地にある天童山を訪れている。自分の参照した手記はおそらく20年以上前であろう。
 1200年前にできた99の部屋をもつ禅寺のことを語っている。そして、(こちらが本題だろうが)天童山の見事な照葉樹林のことを語ってくれている。昔は日本などより遥かに豊かなシイ、タブ、カシの木が欝蒼としていたのだと1,000年以上も前の中国の豊かな森林に思いを馳せている。

 それはそれで、重要な視点なのだが、この天童山は道元の学んだ場所とは別の寺院のようだ。有名な天童如浄が「杜鵑鳴き、山竹裂く」と喝破した自然環境とは違うのは、ちと残念。


 宮脇昭氏の名声は高まれど、肝心の大地の緑の回復は滞っているような気配だ。