2021年元旦に日本人女性の田中カ子さん(118歳)「かねさん」が最長寿でギネス認定されたと報じられていた。なんと明治36年生まれだ。
最後の明治人は、そう、あと9年くらいは生き続けてるのが、期待できるだろう。2030年までは明治生まれがともにあるのは、昭和後期生まれの自分にとっては頼もしいかぎりだ。
Wikipediaでは「115歳以上に達した長寿記録」なる情報がある。115歳が最高年齢の一区切りなのであろう。54人の名前と出身国と性別、生死が記載されている(お祝い事なので個人情報保護は適用外ということ)ちなみに、男性は3人だけである。115歳以上を目指す条件は女性であることが決定的といっていいだろう。世界最高齢を目指す男性諸君は半分あきらめるしかないだろう(性転換する手はあるけれど、それを長生きのためにするかだ)。
その54人を国別に集計してグラフ化したのが下図だ。
これから、いくつかの観察ができる。原則、戸籍制度が近代に定着した国が対象になっている。なので、長生きの土地として著名だったコーカサス地方は含まれない。アフリカや東南アジアも除外される。
結果は日本以外は欧米諸国が中心である。エクアドルやブラジル、プエルトルコなどもエントリーしているが例外的な人物であったわけだ。
不健康なデブの帝国であるはずのアメリカ合衆国が最大多数を占める。しかし、昔を振り返るなら100年前から長寿者たちの青年期までは異なるライフスタイルだったのであろう。国民レベルの栄養と衛生状態は最高だったと推測される。
ここに出ている日本人の長寿者も栄養と衛生状態が充実してくる明治後半から大正期までに大人になっていることを思い出そう。
フランス、イタリア、カナダは、なるほど、田園的で質朴健全な生活環境がありそうだ。
イギリスがたいしたことがないのは意外だ。やはり、気候と食事が高齢者向きではないのかもしれない。ポルトガルも第二次世界大戦に巻き込まれないし、ほどほど温暖な国なのに存在感はない。スペインは20世紀戦間期の酷な内戦が響いたのかもしれない。ドイツは、やはり、二度の大きな戦争に国土が巻き込まれた後遺症と勘繰りたくなる。其の点で、日本は一度だけ、しかも、本土は都市空襲だけだったのでドイツとは違う。
とまあ、いろいろ考えさせる集計結果であるけれど、スーパーセンテナリアンは本人の体質と能力が一番影響するともいう。
そういう意味では、一昔前のアメリカ人女性は、ほんとうに違っていたのかもしれない。