サイエンスとサピエンス

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三種類の日本人の統計学史の相互不可侵

 三種類の統計学史というのは、北川敏男と竹内啓、それに宮川公男のものであります。

 それぞれに扱う対象は微妙に異なります。

 北川敏男のものは欧米を中心とした統計学の発展を主としているし、竹内啓はもう少し幅が広く、統計の対象となる社会的な集計行為(人口、家族センサス)の始まりと理論の並行発展を扱っている。他方、宮川公男のものは明治時代以降の国勢調査、経済統計導入の歴史を丹念に追求していた。つまり、制度の歴史である。

 ここでの、相互不可侵というのは、お互いの引用がほぼゼロということを指す。それぞれ、九州大、東大、一ツ橋大という異なる出自があるのだろう。

 これだけ統計とその歴史という狭いテーマにおいてさえ、学際交流がないというのことだろうか。