ファインマンの師匠のホイーラーは傑物でありました。ファインマンのノーベル賞講演で量子電磁気学にインスピレーションを与えた会話が引用されてました。
「ファインマン君、なぜ電子がみんな同じ電荷、同じ質量を持っているのかわかったよ!」
「なぜなのですか」
「それはね、みんな一つの電子だからさ」
まことに凄い発想です。
つまり、電子に時間を逆行することを許す。それは陽電子になるわけです。
世の中の無数の電子はそれと同じだけ陽電子があり、そもそもは一つの電子があちこちで御用を果たしているわけです。ファインマンダイヤグラムはそれを可視化して、量子電磁気学の複雑な計算を顕著に簡易化させました。
素粒子論に不可欠な道具になっています。
そこで、無理芸は承知ですが、人格にもそれを適用したらどうなるか、考えてみたくなります(ふつうはならない!)
宇宙には人格は一つしかない。その媒体として脳に依存して、現れ方が異なるだけだ。時間を逆行する人格は「潜在意識のなかに」伝達されている。
時間を逆行する人格など観測された試しがないかもしれませんね。でも、ユングの集合的無意識にそれらを閉じ込めて、そこは時間が逆行する精神界だとしてみるといいかもしれない。
無理やり逆行人格を想定すると何が嬉しいかというと、人格の永遠性と唯一性がいえるでしょう。
まあ、あくまでも夢想の理屈でしょうけれどね。
【出典】