今夏の暑さと豪雨は尋常ではないものであった。その大きな原因は地球温暖化だと気象庁とその関係者も公認する。
そして、それを食い止めようとする国際協力は、停滞しているようだ。
排出権取引や省エネルギ技術、再生可能エネルギー利用などの幾多の努力にもかかわらず経済活動が盛んになると温暖化の要因となる炭酸ガスが比例して排出される。その図式は産業革命以来、変化していないようだ。21世紀になってもそれは変わらない。
早い話、GDPが上昇すればそれに追従するかのように平均気温が上昇するのは、少なくとも現状の社会システムや科学技術などでは防止、いや速度を低減すらできないのは、厳然たる事実なのだと理解しておこう。
温暖化するのは明らかに社会弱者(体力のない老人など)に負荷をかけ衰弱死を招いているし、水害や水不足などがひきりなしに起きるようでは日々の生活すらままならない。
今世紀末に平均気温4.8度も上昇するというIPCCの予想は、温暖化ではなく、灼熱化というレベルだ。少なくともそうした地域があることを警告している。
とするならば、経済活動を低減させるのが手っ取り早い解決策であるのだが、それについてはホモ・エコノミクスである大多数の人々が反対するのは火を見るよりも明らかだ。
では、ここで何を今更言い募るのか?
「安息日」を提言するためだ。
仕事も遊びもしない一日を導入しよう。7日に1日にそれを実施しよう。仕事だけでなく外出も避け、レジャーや外食もしない。ネットもテレビも新聞もない、密やかに瞑想する一日、非経済的な一日を安息日としよう。
まったく文明の利器に頼らない日としてもいい。電気や通信、ガスに使用はやめよう。食事は保存食ですます。移動は歩くだけ、機械的移動手段はなしだ。
一年あたりのGDPなど気にするまい。それを経済日である313日でリカバーしてもよい。
だが、これで温暖化に歯止めがかかるのだろうか?
全世界で実施してみようではないかと答えておこう。無為の為を為すのは今しかない。