歴史的発展を捉えるのに政治経済の段階とそれを支える技術という関係論的なフレームというのが、ありそうだ。
次のフレームが思案中の試案というべきか。
Level a 幼年期レベル 定住化した氏族共同体
定住化と社会組織を可能とする 穀物 倉庫 初期治水
Level b 文明基盤レベル 都市文明の発生
文明の基盤となる 慣習法 文字 中期治水(下水道) 道路
Level c-1 旧帝国レベル 複数民族の統治
多民族共同体を生み出す 法制度 通信(狼火) 紙相当の媒体 高度治水(運河)
Level c-2 王国レベル 血統主義的統治
法制度 通信(狼火) 紙相当の媒体 高度治水(運河) 印刷術 自国地図
Level d 資本主義実現レベル 産業革命以降の軍拡国家
国際法 国際金融 国際組織 電信 海運&空輸 量産工場 世界地図と共通時間帯
Level e グローバル資本主義レベル 経済発展重視の無境界主義
インターネット 人工衛星&GPS 高精度時間管理 複合分散製造
社会の規模と複雑性の展開に応じて、それを可能にする、より早く、より安くする技術というのが対応しているようだ。
上記の思い付き分類には、エネルギーや材料、公衆衛生やフードチェーンなどが抜けている。これら技術も互いに複雑に絡み合っているのだ。
こうした政治経済体制とサポート技術という対照によって、技術のヒエラルキーがほの見えるのではないだろうか?
自分の知る限りでは20世紀後半の発明の源泉と21世紀のそれとはだいぶ異質だ。
1960年代の『発明の源泉』に述べられた工業用の発明の数々(ステンレス、ナイロン、ジャイロ等)と1990年代のブライアン・アーサー『テクノロジーとイノベーション』の
技術思想(発明という言葉さえない)とは同じ国家のエンジニアリング方法論とは思えないほど異なる。
誰か、そういう視点でテクノインフラ発展の全体像をまとめてる人はいないだろうか?
【参考文献】
技術的進歩という観点であるにせよ、要素技術の組合せが重視されている。これぞ、まさしくIT時代にふさわしい論じ方だ。